今ではすっかりヤラレ役が定着してしまったジェロニモですが、彼のデビューはたいへん輝かしいものでした。
黄金のマスク編で行われた悪魔六騎士首領格・サンシャインとの一戦。まだ人間だったころのジェロニモが見せた根性任せの粗削りなファイトは、それはもう鬼気迫るもの。他の正義超人の活躍を上回る八面六臂の立ち回りをみせ、当時のチビッ子に「根性あればなんでも出来る」という少しばかり間違った価値観を植え付けるほどでした。
そんな人間ジェロニモの強さは今でも語り草ですが、大人になって冷静に読みなおすと
「これ本当に人間か!?」と思わず問いただしたくなるような描写が散見されます。
明らかに人の力を超えた、まさに超人と呼ぶのに相応しい力を見せたにも関わらず、その正体は人間だというジェロニモ。
そんな彼の異常すぎる力を、ぜひこの機会に再確認して頂ければ幸いです。
目次
ジャンプ力が異常
まず最初はこちらから。
これはウォーズマンを救うため、彼の体内に潜入したキン肉マン一行とそれを待ち受ける4人の悪魔六騎士との決戦開始時に見ることが出来ます。
はい。このシーンです。
ここだけ切り取ると、一見何でもないシーンでどこら辺が異常なのか全く分からないと思うので少し補足。
※よく見ると画像の左にジャンプしたジェロニモの足が確認できます
これは、スグルを除く4人の正義超人がテリーの掛け声を合図に五重のリングで待ち受ける悪魔六騎士に一斉に飛びかかり、4組まとめて試合を開始するというシーン。
ちなみに残るスグルはウォーズマンの蘇生のために背骨をよじ登り、心臓部を目指すという役割。
このときジェロニモが飛びかかったザ・ニンジャがいるのは……
カーンって誰がゴング鳴らしたんだ
なんと五重のリングの4階!
つまりジェロニモは4階の高さまで一気にジャンプしたということになります。
もうスグルも心臓部まで飛んで行けよ。
4階はパッと見で20mぐらいの高さはありそうです。(※原寸大での場合)
垂直飛びのギネス記録が120cmちょいらしいので、ジェロニモのジャンプ力は言うまでもなく異常。人間の枠を逸脱しています。
お前のような人間がいるか!!
腕力脚力声量とにかく異常
これはもうサンシャイン戦を見たことのある方ならご存じのはず。
身長3m体重1トンを誇る、悪魔六騎士の中でも屈指の巨漢サンシャインを
人間であるジェロニモが……
持ち上げて!
ブン投げる!
ブン投げる!
(※この時アキレス腱切れてます)
ブン投げる!
(※アキレス腱に加え、腰骨もイッてます)
トマホークチョップでブッ倒す!
(※打撃でサンシャインからダウンを奪うのはシングマンでも無理でした)
トマホークチョップで真っ二つ!
(※わざと切られたっぽいけど一応)
コンクリートプレスを粉々に蹴り砕く!
(※アキレス腱の切れた足でジャンプしてます)
挙げ句の果てにはアパッチのおたけびでサンシャインの巨体を霧散させる!
砂が音に弱いとかいう屁理屈は今でも意味分かりません。
……いやいやいや出来すぎだろ!もう根性がどうのこうのいうレベル超えてるわ。お前のような人間がいるか!!
ちなみに1トンという重さは……
この画像使うの何度目だろうか
超人オリンピックの怪獣上げでも使われる水準であることから、これを持ちあげられるかどうかが一流の超人であるかの指標として成立していると考えられます。
つまり人間ジェロニモの腕力は並の超人より上ということになりますね。
心臓が異常(物理的な意味で)
このシリーズのジェロニモは終始後退のネジが外れていて、根性がフルスロットル状態なわけですが、そんなジェロニモにしか成し得ないとりわけヤバいシーンがございます。
それがこの2つ。
呼吸を止めて心音消失
(※普通の人間にそんな機能はありません)
セルフ心臓マッサージ
(※砂だらけの手で心臓を直にグニョグニョしちゃいけません。あと、ジェロニモが手を突っ込んだ部位に普通は心臓はありません)
どちらも常軌を逸しており、いくらキン肉マンという無茶な世界の出来事とはいえ、これはこの時のジェロニモ以外には到底不可能な芸当です。
この部分に関してはもう超人よりも人間ジェロニモの方が明らかに人間離れしていると言っていいでしょう。
生命力が異常
最後はコチラ。生命力についてです。
超人といえども時にその命は儚いもの。
熾烈極める超人レスリングにおいて、ふとした一撃でお亡くなりになる方がいらっしゃるのは皆様よくご存知の事でしょう。
そんな中、人の身でありながら超人を凌ぐ耐久力を見せつけた男・それがジェロニモ。
彼は……
生き埋めにされても平気で飛び出してきますし
地獄のピラミッドでどてっぱらに大穴が開いても割と平気です。
参考までに、割と近い状況の……
地獄のネジ回しで腹部を貫通されたブロッケン、ウルフは試合を棄権することを選びます。
言うまでもなくこれが普通でジェロニモの方が異常なんですよ。
「こんな体で…た…戦えるわけがないじゃないか…」というセリフがリアル。その通りです。
気を失い、後にお亡くなりになるウルフマンはもっとリアル。
ちなみに腹に穴の開いたジェロニモは試合を続行、上記のセルフ心臓マッサージなども間に挟み、見てるこっちが不安になるような捨て身のファイトでサンシャインに勝利。
さらには、無謀にも直後に現れた……
悪魔将軍に猛然と飛びかかります。
※これがアキレス腱断裂、腰椎骨折、腹部に大穴、心停止から自力での蘇生を経験した直後の人間の行動です。
当然、ジェロニモの攻撃が通用するはずもなく、
有名なジェロニモの分身については今回は触れません
スピン・ダブルアームからの
地獄の断頭台をまともに食らい、そして……
5階相当の高さから蹴とばされて、頭から地面に叩きつけられるという誰がどう見てもダメなダメージを負ってしまいます。
ぶっちゃけこの仕打ちはもう人間だからどうのというレベルは超えており、完璧超人始祖クラスでも下手をすれば即死のフルコースだと思うんですが、
どっこいジェロニモは生きていて、更には満身創痍の体で倒壊した五重のリングを一人で支えてしまうのです。
……人間ってスゲーんだな!
あれ?俺の知ってる人間と違うぞ!?
おわりに
ジェロニモ見せた黄金のマスク篇での怒涛の活躍は、キン肉マンの中でも屈指の名場面であり、私も大好きなシーンの一つなんですが、このように冷静に見つめなおすと明らかに常軌を逸しており
ゆで漫画における「人間」って一体なに?
という疑問を読み手に与えるのもまた事実なのです。
ですが、読み手が「人間」という存在そのものに疑問を抱くそんな状況でも、ジェロニモは変わらず私達にこう言うのです。
「だってオラは人間だから」と。
これを読んでもまだ、あなたにとってジェロニモは「人間」ですか?
コメント
更新お疲れ様です~(∩´∀`)∩
ジェロニモは本人が言い張ってるだけで本当は超人なのかもしれませんね。
亡くなった母親とか知り合いのおっちゃんから「お前は人間」と言われて信じ込んでいるだけかも…あるいは無意識下で超人⇔人間と切り替えている可能性も?誰かの様にドクロの徽章の着脱とかは不要で。
ともあれ、人間だとして満身創痍の体でサンシャインを倒す等の活躍ができたのはやはり知性のお陰でしょうね!
てこの原理を使ったリフトアップ、的確に相手の脆い部分をピンポイントで突き切断、心臓マッサージ(医療知識)、地獄の断頭台も致命傷にならないよう軸をずらす…フェニックスも顔負けの攻防力です!w
成程、オメガマンが地球に来ていなければ彼が知性チームにスカウトされていたかもしれません。このタイミングでカレースキーさんがジェロニモの事を取り上げたのも得心がいくというものです。
ガテゾーンさん、こんにちは( ゚Д゚)
私もジェロニモが超人なのかもしれないという仮説を立てていまして、少し前からその記事を書いてる途中です。今週中にアップできると思うので、お時間がある時にでも読んでいただけると嬉しいです。
>ともあれ、人間だとして満身創痍の体でサンシャインを倒す等の活躍ができたのはやはり知性のお陰でしょうね!
その発想はありませんでした(*´Д`*)
そう言われるとジェロニモの横顔がどことなく知的なものに見えてきます。
あのジェシーメイビアを倒せたのも知性のなせる業だったのか……
私がジェロニモを取り上げたのはただの気まぐれでして、書きかけの記事の中で一番短時間で仕上がりそうだったという残念な理由です。